僕の流転日記6-ニッチ媒体って役立つの?-

僕の歯車が狂い始めたのは、せっかくもう少し
で黒字を出しそうだった無料レシピ集を一回
増やす決定を経営陣がした事と無縁ではない。

当時確か20万部発行し、三ヶ月に一度出して
いた。それを株主に約束したからという事で
1回増やす と。
その1回がなければ確実に黒字になるのに、
強行するのに意味があるとは思えなかった。

そもそもその頃営業は4人程いたが、売上の
大部分は僕だったし、それは仕方のない事で、
他の営業を僕はカバーする気持ち満載だった。

休みも取らず、とにかく営業部の売上なきゃ
やばいと思って身体張って黒字を目指した
のに…
僕は今まで持っていた筈の緊迫感をその時
失ってしまった。やる気を無くしたのだ。
ちょうど親友がドイツの女の子と結婚する
から、出席しようと一ヶ月も休んでミュンヘン
に飛んだ。
有休たまってて、消化も必要だったし。

成田で見た東洋経済がリーマン倒産の特集
だったが、一企業の倒産なんて大した事は
ないと思って、海外ほっつき歩いててネット
もニュースも見ず、事の重大さに気がついて
いなかった。
でも、帰国して日本の雰囲気が変わっていた。
あの時に広告費はガンと下がった筈だ。
何もしない事が戦略 とかほざくマーケ担当が
いた位で、提案が急に通らなくなった記憶が
ある。
あと、あの時僕は広告って何なんだろう…と
自問自答していた。
自社媒体で、丁寧に読者に商品の魅力を伝え
る、これは正しく見えて、何かの役に立って
いるのだろうか?購入意向と、実売には大きな
差がある。
(昔、自社プロデュースの商品で購入意向と、
実売は、実売が購入意向の1/10だったのだ)

アンケート取得も読者モニターから3000人位
から取れてたけれど、広告閲読率、購入意向は
取っていても、意味あるのだろうか?
雑誌メディア、それもニッチな診療所だけに
置く雑誌メディアはニッチだし、一見効率
よく情報伝達は出来るかに見える。
でも、単に伝えるだけって良いのかな…
クライアントの役に立ってる?と毎日考える
様になった。

それこそ、テレビと大手ウェブサイトにでも
掲載したらそれだけで良いのではないか?と。

株主のおかげで、コンビニとの連動企画も
やったが、コンビニが求めるレベルの実売
には繋がらなかった。
この時期から、僕は行動変容を起こすには?
を追い求める事になる。