僕の流転日記3-突発的退社-

突発的に辞めた次の日をと良く覚えている。

「もう、理由もわからない叱責を受けなくて
良いんだな」そう思ったら嬉かったし、何より
朝ゆっくりしてて良いのが幸せだった。

貯金もしていた事もあるし、辞めた会社が営業
の会社と認識してしまった為、社会に出る事に
恐怖を感じていたのがこの時だった。

就職活動はしていて、辞めた会社の壮絶な日々
を普通に話すと大ウケして、大企業も含めて
月に二社は受かっていた。

でも、社長がリクルート出身だとビビって逃げ
たり、踏ん切りつかなかったり…なかなか社会
には出る勇気を持てなかった。
も営業の数字を激しく詰められるのは怖い。
そんな気持ちだった。

そんな事をしていて気がついたら半年が経って
いて、幼馴染みの紹介で肉体労働のバイトしな
いと金が無くなってきていた。
あの時の3日で10数万円の稼ぎは大きかった。
友人達に心から感謝しているけど、普通に大学
を出て働く事より多い報酬額に愕然とした。

半年も経つとさすがに働かないと生きていく事
が困難になり、ある広告配信サービスを提供
する企業に入社した。
残念ながらシステムが不安定で売り込みには
なかなか至らなかったが…

ここの社長は未だに付き合いがあり、ウマが
合ったんだと思う。
僕はこの人にしばらく雇ってもらえて、社会
に出る為のリハビリが出来た。
ありがたくて、あれから10年ほど経つが感謝
の念は持ち続けている。

僕の流転日記2-念願の営業に しかし…-

僕は念願だった広告代理店の営業になった。
試用期間は三ヶ月、その後はノルマがかなり
厳しかったと記憶している。
ノルマは誰も達成していなかった様に見えた。

そして、最初の三ヶ月はすぐに過ぎていった。
あの時は、とにかく資料作りに苦労した。

何故だか忘れたが会社の鍵を貰えず、社員が
帰ってしまうと僕も会社を出なければならず、
そのまま漫画喫茶で仕事をして、全く寝れずに
次の日を迎えるのを週に1回はやっていた。

僕は当時多少生意気だったのかもしれない。
社長に目をつけられていて、事あるごとに社長
室に呼び出されては怒られた。
遂には「家賃出さないけど、お前は自立しろ」
とか言われて独り暮らしをさせられた。

安くすませたくて、凄く立地が悪くて終電が
実家と大して変わらない…という失態を犯した
けど。意味ねぇ引越しだった。

会社としては異常で、社員が給与を返還して
辞めている とか、交通費のちょろまかしを
理由に退職を迫られたり、2日早めに帰った
だけで呼び出されて「なんだお前、余裕か?」
と恫喝されたり(これは僕です)、熱出して休ん
だのに呼び出されて「嘘つくんじゃねぇ」と
疑われたり(これも僕です)心の休まる時が
無かった。

もちろん僕が戦力になった訳ではないだろう
けど、一応新人では一番の売り上げだった筈
で、イジメだなぁ 凄く嫌われてるんだなぁと
思っていた。

仕事的には、とにかく食品、飲料、トイレタリ
ーメーカーに電話してアポ取りして、パッケー
ジデザインを取る役割を与えられ、その後の
仕事の基礎を築いたと言って良いとは思う。

8ヶ月経ったある日、例によって徹夜して、
朝の渋谷駅でアポ行く為に電車を待っていた。
その時、「俺、このまま飛び降りて死にたい
な…」と思った。
激務、社長のイジメ、将来への悲観、大学同期
の大企業での順調な歩みとかを思ったら、物凄
く自分が不憫で小さな奴にしか思えなくて
そんな風になってしまった。
そう思っている自分にショックを受けた。
詳しく覚えて無いけど、きっとその日の夜には
覚悟を決めて次の日に退職の意思を伝えたんだ
と思う。

その場では引き止めがあったが、夕方には
許可されたらしく、課長が側に来て「こっそり
帰れ」と社員に気がつかれずに外に出されて
そのまま帰った。
課長がその時何か声を掛けてくれて、嬉かった
のは覚えているけど、内容は忘れたからそんな
大した内容ではなかったのかもしれない。笑 

外に出た後、とても悔しくて公園で大泣きして
この悔しさは一生忘れねぇと思っていた。

ちなみに、追い立てられる様に会社を去った
のに、後ろに座っていた女の子が社員を集めて
送別会を後日開いてくれた。
この女の子は、元キャバ嬢。なぜあの会社に
いたのか、未だにわからない。
今は多分、エステサロン開いているはず。
とにかく美人なのに、僕と相性良くて何年も
大切な友人だった。
男女の友情は成立するもんなんだなと思って
いたけど、やがて色恋沙汰で連絡取れなく
なってしまった。残念…。そもそも色恋沙汰
になるなんて思ってなかった僕がビビって
しまったのが原因なんだけど。笑

僕の流転日記1-自信の無さからのスタート-

大学卒業し、僕はシステムエンジニア
なった。
正直なりたかったんじゃなくて、本当は
営業をしたかった。
でも、何か物やサービスをこんな自分が
オススメして成果を出せるのか?
全く自信が無かった。
単純に覚悟が不足してただけの甘ちゃん
だったんだけど。

初日から電車遅延で遅刻した事を鮮明に覚えて
いる。最初からつまずいていたし、正直使える
奴でもなかった。
とにかく、ずっと机に座っていれなくて(子供
みたいだな 笑)苦労した思い出がある。

外に出て、コミュニケーション取りながら
仕事をしたいな!という想いが日に日に
募った。
自分の飲み込みの悪さもあって、仕事をして
いる実感もなく「俺には向いてないのかな…」
と思った。
会社に営業への異動を願い出たけど、その
ルートはないって言われた気がする。

僕は、人間としての僕も受け入れてもらう様な
仕事をしたいと思って、営業への転職を決め
た。

広告に携わって、企業の集客の役に立ってみた
かった。
だから、広告代理店を選んだ。そこが、2ch
めちゃくちゃひどいと書かれている事も知らず
に…